金属の中で5番目に融点が高く、高温環境下で高い形状安定性を有するとされるモリブデン。
中国の他、北南米大陸の国が主要生産国であるということをご存知の方もいらっしゃるでしょう。
ですが、そんな方の中にも、
「モリブデンの日本における需要はどうなのかな?」
「モリブデンの取引価格はどうなっているのかな?」
このような疑問をお持ちの方はいらっしゃいませんか?
そこで今回は、そんな方に向けて、モリブデンの日本における需要と取引価格についてお伝えします。

日本におけるモリブデンの需要

日本におけるモリブデンの需要は2008年から2009年にかけて大幅に減少し、その後2011年まで増加傾向にあったが、2012年、2013年は減少しています。
2014年で再び増加しましたが、その後は減少傾向が続いています。
参考までに、2007年から2016年までのモリブデンの国内需要量は下記のようになっています。
単位は純分トンで表記されています。

・2007年：26,876
・2008年：26,766
・2009年：16,386
・2010年：24,549
・2011年：26,780
・2012年：24,816
・2013年：23,155
・2014年：27,902
・2015年：24,726
・2016年：24,011

また、モリブデンの需要は建材としての需要に大きく影響されます。
需要量が年をまたいで反映されることもあるため、需要動向は数年の傾向で変化を見る必要があります。

モリブデンの取引価格

モリブデンの取引価格は、ニッケルの相場と相関関係が強くなっています。
買取価格ですと、現在1キロあたり約1500円で推移しています。

2010年ごろに大幅に価格を落としましたが、その後は価格が引き上げられる傾向にありましたが、2015年ごろには再び価格が下落しています。

しかし、2018年には価格が上昇しています。
これはチリの供給大手であるコデルコが新たな鉱脈探索のために採掘方法を変更し、一時的に鉱石が出にくくなったことで、供給が絞られているからです。
さらに、全体的に生産者数が減少しており、供給が減少していることも要因の1つとなっています。
また、この価格の上昇によってつけられた価格は、およそ3年半ぶりの高値水準となっています。

まとめ

ここまででモリブデンの日本における需要と取引価格についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか?
モリブデンの価格はニッケルと相関関係が強いことは上記で述べましたが、今後モリブデンの価格動向に注目する際は、ニッケルの価格市場にも注目すると良いかもしれませんね。
また、需要量は数年の傾向で見ることも大切です。
今回の記事が皆さんの参考となれば幸いです。