プラチナ価格の推移

プラチナの価格は2015年のディーゼル車離れによる需要の低下をきっかけに価格が下落し、伸び悩んでいました。しかし、2020年11月に政策方針として再生エネルギー投資を盛り込んでいたバイデン氏がアメリカ大統領に当選したことで燃料電池の需要増加が見込まれ、価格が上昇します。

また、パラジウムの高騰でガソリン車のパラジウムをプラチナに置き換える動きが強まり、需要が拡大したことも価格上昇の要因となりました。

その後は供給が落ち着いたことで価格変動も落ち着いていますが、原油高騰によるインフレやロシアによるウクライナ侵攻によって、価格は上昇するのではないかといわれています。

近年注目されているプラチナ投資

低金利や老後の資金問題などもあり、投資を行う方が増えています。様々な投資方法がありますが、近年資産運用の手段として注目を浴びているのが「プラチナ投資」です。

貴金属の資産運用といえば、金・銀ですが、プラチナは金よりも希少性の高い金属です。そのため、資産用として近年、プラチナも注目されるようになりました。

プラチナは金と違って希少価値が高いことから、少しずつ積み立てていく長期運用を行っている方が多いです。ただし、プラチナの市場規模は金よりも小さいため、価格が乱降下しやすく、安定性に欠けます。

そのため、プラチナ投資は現状、ハイリスク・ハイリターンで投機色は強めです。

プラチナ投資の4つの種類

プラチナ投資の種類として次の4つが挙げられます。

• 先物取引
• 現物取引
• 投資信託・ETF
• CFD取引

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.先物取引

「先物取引」とは、将来の価格で取引する方法です。例えば、6ヶ月後に2万円でプラチナを購入すると契約したとしましょう。

この際、6ヶ月後にプラチナ価格がいくらになっていても、契約したとおり価格（今回の倍は2万円）で取引を行います。

2.現物取引

「現物取引」とは、現行価格のままで取引する方法です。例えば、プラチナ価格が5,000円の時に注文し、5,000円でプラチナを購入できます。

決済時に現物と現金の取引が行われるため、一般的な現金での商品購入をイメージすると分かりやすいでしょう。また、購入後、プラチナといった貴金属を現物で受け取れるサービスもあるため、実物資産として保管したい方にもおすすめの取引方法です。

ただ、現物取引はレバレッジをかけた取引が行えないため、大きな利益を狙えない、資金が少ない方は参入しにくいといったデメリットもあります。

3.投資信託・ETF

投資信託・ETFでプラチナを購入することもできます。

「投資信託（ファンド）」とは、投資家が投資したお金をひとつの資金にして、運用の専門家が株式などに投資・運用する商品のことです。投資信託の運用で発生した損益は、投資額に応じて、投資家に帰属されます。

一方、「ETF（Expert Traded Fund）」は日本語では「上場投資信託」と呼ばれる投資信託です。両者の違いは、投資先企業が上場しているかどうかのみで、仕組み自体は投資信託と同じです。

投資信託は少額資金ではじめられ、投資すれば後は投資のプロが代わりに運用してくれます。そのため、リスクを抑えて、長期的に資産形成したい方におすすめの投資方法です。

4.CFD取引

「CFD取引」とは、証拠金で売買する取引です。証拠金を活用するCFD取引であれば、レバレッジをかけることができます。

「レバレッジ」とは、「てこの原理」という意味で、投資の世界では少ない資金で大きな金額を取引できる仕組みのことです。例えば、預けた資金10万円に対して、25倍のレバレッジをかければ、250万円分の取引を行えるため、自己資金が少なくても、大きな利益を狙えます。

ただし、レバレッジは高く設定するほど、損失額も同様に大きくなるため、注意が必要です。

プラチナ価格に影響与える5つの要素

プラチナ価格に影響を与える要素として次の5つが挙げられます。

• 金融緩和
• 南アフリカの経済状況
• 自動車業界の動向
• 燃料電池車への切り替え
• 水素生成装置の需要拡大

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.金融緩和

「金融緩和」とは、各国の中央銀行が景気回復を目的に、「資金供給量の増加」や「政策金利引き下げ」を行う金融政策のことです。金融緩和が実施されると景気回復が見込まれるため、経済が活発化して、投資需要が高まり、プラチナをはじめとする貴金属の価格も上昇します。

このように、貴金属の価格と世界の景気は連動しています。プラチナ価格の動向を把握する際は、先進国の金融政策や景気動向も注視しておきましょう。

2.南アフリカの経済状況

プラチナの算出は、南アフリカが世界全体の約3/4を担っています。言い換えれば、南アフリカで問題が発生した場合、他の産地への切り替えができないということです。

したがって、南アフリカの経済動向が、プラチナ価格に与える影響は非常に大きいといえます。プラチナ価格を予想する際は、南アフリカの動向も注視するようにしましょう。

3.自動車業界の動向

「自動車業界の動向」も、プラチナ価格に影響を与える要素の1つです。貴金属のイメージが強いプラチナですが、工業用部品の材料としても有名で、工業用部品のうち約6割を自動車部品が占めているといわれています。

そのため、自動車業界の動向はプラチナの需要に大きな影響を与えます。例えば、2015年にディーゼル車離れが起きた際は需要の縮小を招き価格が下落しましたが、2020年にエコカー需要が拡大したことで価格が上昇しました。

以上の点から、自動車業界の動向がプラチナ価格に与える影響は大きいといえます。

4.燃料電池車への切り替え

「自動車業界の動向」に近いですが、燃料電池車への切り替えもプラチナ価格に影響を与える要素の1つです。アメリカをはじめとする主要国では、地球温暖化対策の一環として、ガソリン車やディーゼル車の販売を禁止し、燃料電池車へ切り替える方針を打ち出しています。

燃料電池車に使用されるプラチナの量はディーゼル車の10倍ともいわれており、プラチナ需要の拡大が見込まれています。

5.水素生成装置の需要拡大

水素生成装置にもプラチナが用いられています。水素は脱炭素に向けて、注目されている物質の1つです。

そのため、水素生成装置の需要が拡大すれば、プラチナの価格も高騰すると予想されます。

プラチナスクラップを処分するなら買取がおすすめ！

プラチナスクラップを処分するなら買取がおすすめです。なぜ買取がおすすめなのか、次の3項目に分けて解説します。

• プラチナスクラップとは？
• 都市鉱山にプラチナが埋もれているケースも多い
• プラチナをはじめとする金属スクラップの処分方法

それぞれ詳しくみていきましょう。

プラチナスクラップとは？

「プラチナスクラップ」とは、プラチナを用いた製品・部品の廃棄物のことです。プラチナスクラップの種類としては以下が挙げられます。

• Ptターゲット
• Ptパーツ材
• Pt試薬
• Pt棒
• 熱電対
• 電極材
• 白金るつぼ
• 白金箔

上記はあくまでも代表的なものであり、他にも様々なプラチナスクラップがあります。

都市鉱山にプラチナが埋もれているケースも多い

「都市鉱山」とは、精密機器や家電製品といったスクラップの山を都市部にある鉱山に見立てた言葉です。都市鉱山にはプラチナをはじめとする希少な金属が埋蔵されています。

埋蔵量は所説ありますが、当面の需要を満たすには十分の量だといわれており、資源が乏しくその確保を輸入に頼っている日本において、都市鉱山は貴重な資源といえるでしょう。

プラチナをはじめとする金属スクラップの処分方法

プラチナをはじめとする金属スクラップの処分方法は大きく分けて次の2つです。

• 埋立による廃棄処分
• 買取処分

金属スクラップを産業廃棄物として埋立処分する方法です。オイルショックや高度経済成長による建設ラッシュ以前は産業廃棄物として処理されるのが一般的でした。

「買取処分」は、産業廃棄物として処理していた金属スクラップを買取してもらうことで処分する方法です。金属スクラップを買取によって処分した場合、買取によって得た売却益を雑収入として計上できます。

そのため、プラチナをはじめとする金属スクラップを処分する際は、利益につなげられる「買取」がおすすめです。

プラチナをはじめとする金属スクラップを買い取ってもらう4つのメリット

プラチナをはじめとする金属スクラップを買い取ってもらうメリットとして次の4つが挙げられます。

• 環境への負担を軽減できる
• 地球温暖化対策に寄与できる
• 資源を大切にできる
• 産業廃棄物の処理コストを削減できる

金属スクラップを買い取ってもらうメリットは、買取価格を雑収入として計上できる以外にも、様々なものがあります。ここでは各メリットについて詳しくみていきましょう。

1.環境への負担を軽減できる

金属スクラップを買い取ってもらえば、資源として再利用できるため、鉱山の掘削量を縮小できます。掘削量を縮小できれば、環境への負荷を軽減することが可能です。

携帯電話をはじめとする電子廃棄物には、プラチナといった再利用可能な資源だけでなく、水銀や鉛などの有害物質も含有されています。これらの廃棄物はアフリカなどの発展途上国に多く流出していますが、現地では適切な処理が行えず、有害ガスなどが発生して健康を害すなどの問題も起きています。

また、金属スクラップの処分は前述のとおり、埋立が基本です。国土面積が狭い日本において、埋立地の確保は容易ではありません。リサイクル資源として金属スクラップが活用されれば、廃棄物の量を削減できるため、これらの問題解決に寄与することも可能です。

2.地球温暖化対策に寄与できる

また、鉱石には多くの不純物が含有されているため、鉱石から金属を精製しようとすると、莫大なエネルギーを消費します。一方、金属スクラップは既に不純物が除去された人工資源となるため、金属精製時に必要なエネルギーを抑えられます。

そのため、地球温暖化対策にも寄与できるでしょう。

3.資源を大切にできる

金属は石油などの化石燃料と同じく、数に限りのある天然資源です。そのため、現状のまま鉱山を掘削して金属を精製・活用し、埋立による廃棄処分をしているといずれ資源は枯渇してしまいます。

金属スクラップを買い取ってもらうことで、リサイクルに寄与できるため、資源を大切にできます。

4.産業廃棄物の処理コストを削減できる

排出される金属スクラップをすべて産業廃棄物として処理する場合、少なくないコストがかかります。処分する金属スクラップによって異なるものの、処理コストは1～40円/kg程度かかるといわれており、処理する廃棄物量が多いほど当然、コストは高くなります。

リサイクルできる金属スクラップを買取という形で処理すれば、廃棄する量を抑えられるため、処理コストの削減が可能です。

まとめ

プラチナ価格のチャート情報やプラチア価格に影響を与える要因、プラチナスクラップの概要・おすすめの処分方法について解説しました。プラチナ価格は景気動向や産出国の経済動向などの影響を受けやすいです。

そのため、投資などでプラチナを取り扱っている方は、各種動向をしっかりと注視し、適切なタイミングで購入したり、買取したりしなければなりません。

当店は、鉄や非鉄スクラップの回収と高価買取を行っています。スクラップ買取でお困りの方は、ぜひ一度当店にご相談ください。