「砲金ってどんな金属?」
「砲金スクラップにはどんな種類があるの?」
「砲金スクラップをできるだけ高く買い取ってもらうためのポイントは?」
このようなお悩みをお持ちの方に、砲金の概要や砲金スクラップの種類、砲金スクラップを高額で買い取ってもらうためのポイントについて解説します。
砲金とは?
「砲金」とは銅(Cu)90%、錫(Sn)10%程度で構成されている銅合金の1種です。「青銅」とも呼び、錆が発生した際は青色に反応します。
粘り強く、靭性に富んだ性質で、耐食性や耐摩耗性などに優れています。昔は大砲の砲身の材料としても使用されており、その出自から「ガンメタル」と呼ばれ、日本語では「砲金」と呼ばれるようになったそうです。
砲金の特長
砲金の代表的な特長としては次の6つが挙げられます。
- 高い軸受特性
- 優れた靭性
- 高い耐海水性
- 優れた耐摩耗性
- 優れた耐食性
- 優れた鋳造性
また、砲金は後述の「真鍮」をはじめとする銅合金と比較して価格が高いといった特長があります。
砲金の用途
砲金の代表的な用途としては以下が挙げられます。
- 10円玉
- 船舶用の部品・プロベラ
- バルブ
- ボルト
- 座金(歯付き座金・バネ座金)
- 一般機械・電動機器部品
- 化学工業用品
- 軸受
- 滑り軸受
- 圧延機ウォームホイール
- ポンプケーシング
- 歯車・羽根車
- 鋳物(景観鋳物・美術鋳物)
- 高弾性ばね材料
優れた鋳造性を活かしてバネなどの複雑な形状や、耐海水性・耐食性を活かして船舶用の部品やプロベラなどに用いられています。
砲金の注意点
砲金には2つの注意点があります。
1つ目が「仕上げ面への影響」です。アルミニウムや半硬鋼、同じ銅合金である黄銅と比較すると、構成刃先が生じにくいため、削り速度が仕上げ面の形状に与える影響が小さくなります。
もう1つが「切削後の表面粗さ」です。被削材として砲金を用いた場合、黄銅や軟鋼と比較すると、切削後の表面粗さが小さくなるといわれています。
真鍮との違い
「真鍮」とは、「黄銅」とも呼び、銅65%、亜鉛(Zn)35%で構成されている銅合金のことです。真鍮の特性としては次の6つが挙げられます。
- 価格が安い
- 電気伝導性が高い
- 優れた耐食性
- 優れた加工性
- 強度が比較的高い
同じ銅合金である砲金と真鍮には様々な違いがあります。構成する金属や用途の違いを除いた場合、代表的な違いは大きく分けて2つです。
まずは価格です。上記のとおり、真鍮は比較的価格が安い銅合金となりますが、砲金は真鍮と比較して価格が高い傾向にあります。
次に錆が生じた際の反応です。青銅とも呼ばれる砲金は錆が生じた場合は「青色」に反応しますが、黄銅とも呼ばれる真鍮は錆が生じると「黄色」に反応します。
代表的な砲金の種類
砲金には様々な種類がありますが、代表的なものとしては次の2つが挙げられます。
- CAC403
- CAC406
それぞれ詳しくみていきましょう。
CAC403
「CAC403」は新JIS記号表記であり、旧JIS記号では「BC3」と表記される砲金です。砲金の中で最も高い耐海水性を誇っている他、機械的性質や耐食性に優れています。
また、後述する「CAC406」よりも、高い引張強さや伸び、耐摩耗性、耐圧性を誇っており、ポンプ胴体やバルブ、船舶用丸窓、軸受、歯車などに活用されています。
CAC406
新JIS記号表記では「CAC406」、旧JIS記号では「BC6」と表記される砲金です。鋳造性と被削性に優れ、「CAC403」程ではないものの、高い耐摩耗性や耐圧性を有しています。
鉛入りの青銅としては生産量が多いことから入手しやすいです。用途としては、給水用具や羽根車、ポンプ胴体、軸受などに活用されています。
砲金を構成している金属とその特長
砲金を構成している金属として次の2つが挙げられます。
- 銅
- 錫
各金属の特長について詳しくみていきましょう。
銅
「銅(Cu)」とは、原子番号「29」、周期表では金・銀と同じ11族に分類される遷移金属です。合金の種類によって、1000系~7000系まであり、JIS記号では銅の英語表記「copper」の頭文字「C」と4桁の数字で表記されます。
銅の特性は、電気伝導率・熱伝導率・加工性・耐食性が高い、見た目の仕上がりが綺麗、磁性がないなど様々です。そのため、電気伝導率・加工性を活かして銅線や精密機器・電化製品の部品、耐食性を活かして船舶の部品など、様々な分野で活用されています。
錫
「錫(Sn)」とは、原子番号「50」、周期表ではゲルマニウムや鉛などと同じ14族に分類される金属です。錫は希少性が高く、価格的には金・銀に次いで高価な金属だといわれています。
抗菌作用に優れている他、耐食性が高く、酸化しにくいことから、色の変化が少なく、長期間に渡って美しい光沢を保ち続けられるといった特性があります。以上の特性から安定した金属ともいわれ、古くから装飾品として用いられてきた他、神仏に捧げる新物としても取り扱われてきました。
現代でもテーブルウェア用品をはじめ、様々な製品の素材として用いられています。
砲金スクラップとは?
使用済み砲金の金属くずのことを砲金スクラップといいます。代表的な種類としては以下が挙げられます。
- バルブ砲金(込砲金)
- 水道メーター
- 砲金切粉
- 砲金部品
使用されている原料が砲金であれば、上記以外でも砲金スクラップとして処理できる可能性があります。砲金スクラップとしてカウントされるか分からないという方は、1度金属買取業者に相談してみるとよいでしょう。
金属スクラップの処分は買取がおすすめ!
金属スクラップの処分方法としては次の2つが挙げられます。
- 埋立処分
- リサイクル
「埋立処分」とは、金属スクラップを産業廃棄物として、埋立地に埋め立てる処分方法です。埋立処分の場合は金属1kgあたり1~40円程度の処理コストがかかります。
「リサイクル」とは、文字どおり金属スクラップをリサイクル資源として再利用する処分方法です。リサイクルの場合はさらに「金属精錬」と「金属回収」の2種類に分類されます。
「金属精錬」は不純物から高純度の金属を取り出すリサイクル方法、「スクラップの回収」は廃棄物の中から、金属を回収するリサイクル方法です。また、回収方法の手段として、買取業者に依頼して、金属スクラップを有価物として買い取ってもらう方法もあります。
金属スクラップの買取であれば、買取価格を売却益として計上できるため、売上にプラスできます。そのため、金属スクラップを処分する方法としては、買取がおすすめです。
金属スクラップを買い取りしてもらう4つのメリット
金属スクラップを買い取りしてもらうメリットとして次の4つが挙げられます。
- 産業廃棄物の処理コスト削減
- 利益を得られる
- 環境問題対策への貢献
- 資源を大切に利用できる
なぜ、金属スクラップの買取がおすすめなのか、もう少し詳しくみていきましょう。
1.産業廃棄物の処理コスト削減
日々膨大な金属スクラップを排出している工場や工事現場などの場合、それらすべてを産業廃棄物として処理しようとすると、決して少なくない処理コストがかかります。しかし、金属スクラップは「都市鉱山」であり、リサイクル可能な鉱物資源が多く含まれています。
リサイクル可能な金属スクラップを買い取ってもらうことで、廃棄物の量を減らして、処理コストを削減することが可能です。
2.利益を得られる
金属スクラップの買い取りで得た売却費は、利益として計上できます。つまり、金属スクラップを買い取りすれば、処理コストを削減しながら、売上に寄与できるということです。
ただ、金属スクラップの買い取りで得た売却益は、財務調査の調査対象項目となります。買取時には忘れずに領収書を発行してもらい、「雑収入」で経理計上しておきましょう。
3.環境問題対策への貢献
環境問題対策に貢献できるのも、金属スクラップを買い取ってもらうメリットです。日本は国土面積が狭いため、埋立処分場の確保が容易ではありません。
金属スクラップを買い取ってもらい、産業廃棄物量を削減することで、埋立許容量が100%になるスピードを抑えることにつながります。
金属は紙やプラスチックと違って、リサイクルしても劣化しません。元々の品質をそのまま得られるため、天然の金属資源から金属を精製する方法と同じ方法で金属を取り出せます。
新しい設備を準備したり、余計な工程を増やしたりする必要がないため、リサイクルのために新しいエネルギーがかかる心配がありません。
また、天然の金属資源には不純物といった余分なものが多いため、金属精製時には莫大なエネルギーを消費します。一方、金属スクラップはすでに不純物が除去されている人口資源です。
そのため、天然の金属資源と同じ設備で金属を取り出すことができながら、ゴミなどを除去するエネルギーを節約でき、石油の消費量を抑えられます。二酸化炭素の排出量も抑えられるため、地球温暖化対策にも寄与できるでしょう。
金属スクラップを買い取ってもらうことで上記のとおり、様々な環境問題対策に貢献できます。
4.資源を大切に利用できる
金属は鉱物資源であり石油と同じ、量に限りのある天然資源です。したがって、鉱山を削って金属を精製し、使用済みの金属をすべて廃棄していては、いずれ枯渇してしまいます。
日本は資源が乏しく、国内で使用されている資源のほとんどを海外から輸入しているため、資源が枯渇すれば、死活問題です。金属スクラップを買い取ってもらい、リサイクル資源として活用することで、資源を大切に利用でき、次世代に資源を残すことにつながります。
砲金スクラップを高額で買い取ってもらうための3つのポイント
砲金スクラップを高額で買い取ってもらうためのポイントとして次の3つが挙げられます。
- 銅・錫の相場をチェックする
- まとまった量を買取ってもらう
- 種類ごとに分別する
それぞれ詳しくみていきましょう。
1.銅・錫の相場をチェックする
株の価値が変動する株式相場や通貨の価値が変動する為替相場と同じく、金属の価値も金属相場によって日々、変動しています。
したがって、該当金属の相場が高くなれば、それに連動して金属スクラップの買取価格も高くなるということです。なるべく高額で売却したい場合は、対象金属の相場が高い時を狙って、売却するようにしましょう。
砲金は前述のとおり、銅と錫で構成された銅合金です。銅の含有率が高いため、銅相場をチェックすれば問題ないかと思いますが、錫は希少価値が高いため、砲金の価格に影響を与える可能性があります。
したがって、砲金スクラップを高額で買取したい場合、銅相場と錫相場をチェックするようにしましょう。
2.まとまった量を買取ってもらう
金属は本来1kgから買取対象となります。もちろん、業者によって違いがあり、一般家庭を対象に少量からでも買取対応していれば、10kg未満は買取してくれない場合もあります。
ただ、まとまった量の方が有利に交渉でき、高額で買い取ってくれる可能性が高いです。そのため、ある程度量が貯まったタイミングで買取依頼するようにしましょう。
また、定期的にスクラップが発生する場合も、業者と交渉することで、買取価格が高くなる可能性があります。
以上の点から、工場などのように日々、金属スクラップが出るという場合、まとまった量を定期的に買い取ってもらうことで高額買取が期待できます。
3.種類ごとに分別する
種類ごとに分別することも高額買取のポイントです。種類ごとの分別とは、プラスチックなどのダストを除去したり、同じ種類の金属で分けたりすることを指します。
砲金スクラップとして水道メーターを買取してもらう際に、買取前にメーター部分や鉛のキャップ、内部のプラスチックなどを外しておくということです。ダストを除去しなくても買取してもらえますが、除去していない場合は雑品スクラップとして扱われてしまいます。
雑品スクラップの場合、買取業者でダストを除去したり、分別したりする必要があるため、通常よりも買取価格が下がってしまいます。高額で買い取ってもらうためにも、買取前にしっかりとダストを除去し、分別しておきましょう。
まとめ
砲金の特長・用途・種類や、砲金スクラップの概要・種類、砲金スクラップを高額で買い取ってもらうためのポイントについて解説しました。砲金は銅と錫で構成されている銅合金であるため、砲金スクラップの買取価格は銅と錫の金属相場に影響される可能性が高いです。
そのため、錫相場の影響を考慮せず、銅相場だけで買取タイミングを判断してしまうと、買取価格が以前よりも低いといった事態になりかねません。高額買取を狙う場合、スクラップを形成している金属の種類を把握したうえで、該当する金属相場をしっかりと確認し、金属の価値が高いタイミングで買取することが大切です。
当店は、鉄や非鉄スクラップの回収と高価買取を行っています。スクラップ買取でお困りの方は、ぜひ一度当店にご相談ください。
スクラップ価格ドットコムの高価買取の理由
- 高度な分析力で圧倒的な金属の回収率
これが高価買取の大きな理由例え「買取単価」が高くても、抽出した金属の量が少なければ買取価格は低くなります。自社工場の最新機器を使用し、精練分析・精製分析によって高い回収率を実現しています。 - 買取から販売まで自社一貫体制
中間コストをカットし買取価格に反映例え「買取単価」が高くても、抽出した金属の量が少なければ買取価格は低くなります。自社工場の最新機器を使用し、精練分析・精製分析によって高い回収率を実現しています。
運営会社情報
商工中金 神戸支店
尼崎信用金庫 神戸東支店
古物証許可(兵庫県公安委員会:第63110100041号)
自動車商(兵庫県公安委員会:第63110100041号)
毒劇物一般販売業(神戸市191TA1023号)
産業廃棄物収集運搬業
飲食店営業許可
酒類販売業許可
貴金属全般(金・銀・プラチナ その他貴金属類)販売買取業
非鉄金属全般(アルミ・銅・ステンレス・真鍮 鉛 錫 その他非鉄金属類)販売買取業
レアメタル全般(ニッケル・コバルト・チタン タングステン 超硬 その他レアメタル類)販売買取業
貴金属地金販売買取業
宝飾品・ジュエリー販売買取業
アンティークコイン販売買取業
アンティーク家具・雑貨輸入販売業
ビンテージオートバイ・ビンテージカー輸入販売業
歯科用貴金属材料買取業
毒劇物一般販売業
カフェ・レストラン・バー等の飲食店の経営
1940年代 | 個人商店(新崎商店)として、新崎真悟が金属リサイクル事業を開始。 |
2002年 | 新たにレアメタルの取り扱いを開始。現代表 新崎 哲雄が有限会社エスアールシーを設立。 |
2005年 | 事業拡大に伴い、株式会社へ組織変更。 |
2007年 | 新たに貴金属リサイクル事業・地金取り扱いを開始。貴金属事業部:神戸ゴールドバンク発足。 |
2010年 | 超硬リサイクル事業部(超硬ドットコム)サービス開始。 |
2013年 | ニッケルコバルトリサイクル事業部(ニコニコメタル)サービス開始。 事業拡大のため、六甲アイランドに事業用地を取得。六甲アイランドベース開設。 |
2018年 | アンティーク家具・雑貨事業部(Kobe Antique Warehouse)サービス開始。 レアウイスキー、クラフトビール販売サービス開始。 |
2019年 | 歯科金属リサイクル事業部(シカキン)サービス開始。 |
2021年 | 本社を芦屋市公光町へ移転。春からビンテージウイスキー販売事業開始予定 |
鉄鋼ビルディング4階 S-07